アドバイザーになって損したこと…でも良かったと思うこと 青山 美香
こんにちは。整理収納コンサルタントの青山美香です。
さて、今回のテーマは「損(loss)」について。
私がこの資格を得たのは、2015年2月のことです。
活動を始めて、まだ半年足らずですが、ありがたいことに、さまざまなご縁をいただいています。
ところが、私の当初の予想よりも、ずっと速いペースであらゆることが動き出し、ついていくのがやっとの多忙な毎日が訪れました。
いろいろなご縁で出会う方が、新たな出会いを導いてくださったり、ブログから新しいご縁をいただいたり、私の背中を押し、必要な学びへと導く方が現れたり。
準備が整っていない状態で、お仕事の依頼までいただきました。
でも、次第に心が苦しくなってきたのです。
懸命に向き合うだけで精いっぱいの毎日に、とうとう心身ともに、疲れ果ててしまいました。
そんなある日、私は、ふと思い立ち、ある夫妻のもとを訪ねました。
2年間、私にフランス菓子を教えてくれた、フランス人パティシエの先生と奥様(日本の方)です。
「すごく疲れているようだ」
開口一番にそう言って、差し出されたのは、ちょっぴりビターな先生のショコラ。
一口食べるなり泣きそうになりました。
「いつもと変わらず、すごくおいしい」そう言うと、すごく満足げ。
ご夫妻の生き方は、「人生を存分に楽しむ」、生粋のフレンチスタイル。
お菓子作りの技術だけでなく、仕事の向き合い方、余暇の過ごし方、本当の贅沢、家族との時間の大切さを教えてくれました。
味覚とは不思議なもので、ショコラは、そのことを一瞬で思い出させてくれたのです。
まさに私は、自分を見失い(loss)かけていたのです。
「僕の家を訪ねる門は、いつも開けておくよ。疲れたら、戻っておいで。」
その言葉で、心がすっと軽くなりました。
実は、活動を始めてから私の心に、ある疑問が芽生えていました。
それは、忙しさと比例して大きくなっていたにもかかわらず、私は否定し続けていました。
ご夫妻の存在は、その疑問に立ち向かうための気づきとなりました。
「大切なモノは、失くして初めて気がつく」といいますが、私は幸いにして、その一歩手前で気がつくことができました。
今の道へと私を導いたものは、「暮らしを楽しむ」という想い。
多忙で、家事に支障が出てしまっては、矛盾してしまうのです。
他の人から見れば、欲のない働き方、主婦のオシゴト、そういわれるかもしれません。
実際私もそう言われることを、恐れていました。
自分を見失わないための、私にとってのワークライフバランス。
それは、心の在り方を変えないこと。
先生のショコラがいつも変わらない味であるように、私自身もそうでありたい。
そう思えた6月の雨の日の出来事でした。