世の中の子供達が整理収納が得意になったら何が起きると思いますか? 桑原 美栄子

こんにちは。

もう、10月の中旬。お節料理の申込、年賀状の予約など、年の瀬を思わせるお知らせが舞い込んできています。なんだか、慌ただい時期になってきましたね。気候もよく、整理収納アドバイザーとしては、衣替えの時期なので、洋服の整理をお奨めします。そのあとが収納です。来年また、すぐ着れる様に、しっかりとお手入れをして下さいね。

今回のテーマは、とっても面白く、想像力を駆り立てられる題材です。そして、3つのことが、頭をよぎりました。

まず一つ目。教育です。

『世の中の子どもたちが整理収納が得意になる。』という素晴らしいこと。でも、ここまでたどり着くことが、大変な道のりに思えます。仮に、『世の中の子どもたちが数学が得意になる。』としたら、その功績は、やはり教育による指導が考えられます。整理収納にも同じことが言えます。そうです。『整理収納』が、学校の教科になり、感覚としては、道徳か技術家庭科などの中で学ぶことになる。すると、子どもたちは整理収納の基本的な考え方を学び、生活の中で実践し、世の中の子どもたちは整理収納が得意になる。という、図式です。

しかし、数学と同じように、また得意な子どもと不得意な子どもが出てきてしまうのが、世の常。というか、人間の能力、個性ですね。でも、整理収納の基本を学ぶことは、学ぶ以前とは大きな差が出来ると考えます。世の中全体が、格段と整理収納のレベルアップにつながるといいですね。

二つ目は、経済です。

整理収納アドバイザー2級認定講座では、『人とモノの関わり方』を学びますが、この『モノとの関わり方』が、整理収納には大きなウエイトを占めています。『世の中の子どもたちが整理収納が得意になる。』ことは、モノをしっかりと見極めることにつながり、モノを購入するときはもちろんのこと、頂くときなど、そのモノが本当に自分にとって必要なものなのか否かを判断することにつながります。安易にモノを手に取らなくなります。お店にはモノが溢れていても、不必要ないモノは持たないことになります。今の世の中は大量生産大量消費時代ですが、この傾向を変えていくことになると思います。すると経済の在り方も、変化することになるのではないでしょうか?『一生もの』とい言葉がありますが、今の世の中でそう言えるものは、どのくらいあるのでしょうか?

三つ目は、『足るを知る』です。

整理収納アドバイザーの資格を取ってから、いつも心にこの言葉がありました。老子の言葉で『足るを知る者は富』です。これは精神的な面や、物質的な面など色々な意味に解釈されています。が、私にはとっては、仕事柄、現代社会をとらえた言葉に思えます。

11日夜放送のフジテレビ「Mr.サンデー拡大スペシャル」で『世界一貧乏な大統領』として元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ元大統領のリオ会議(環境の未来を決める会議)でのスピーチが放送されました。大変感銘を受けるものです。是非、検索してみてください。またホセ・ムヒカ元大統領はインタビューで日本についても語られていました。『日本人は魂を失った』と。この中でも、『足るを知る』という言葉が出てきました。日本人は江戸時代、モノを大切に使い、多くを持たず、エコな生活をしていました。これも、子供たちに伝える教育なのではないかと強く感じました。

先日、茨城の六角堂に行ってきました。
岡倉天心は、西洋化していく明治時代、日本の伝統美術の優れた価値を認め近代日本美術の発展に大きな功績を残しました。天心はこの六角堂で、何を思っていたのでしょうか?と、私も、六角堂の窓から太平洋を眺めてみました。

ありがとうございます。

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