世の中の子供達が整理収納が得意になったら何が起きると思いますか? 中島 理沙
こんにちは。整理収納アドバイザー 中島理沙です。
少しずつ肌寒くなってきました。日中は温かくても、日が落ちた途端に上着をはおらなければならない日も出てきましたね。
今回のテーマは、「世の中の子どもたちが、整理収納が得意になったら何が起こるのか?」
現在、雑誌が創刊されれば、「片づけ」に関するテーマが毎月取り上げられ、メディアでも「整理収納」「片づけ」に関するテーマは非常に多くなってきております。「整理収納」と「心」はとても深く関連しています。人々の「心」の悩みは深刻化しており、「片づけ」の悩みは、社会問題にも発展してきております。「目標の持てない子ども達」が多いのも現状です。「うつ病」「ニート」をはじめ、多くの事件も存在しています。
欲しいモノも簡単にネットやコンビニなどで手に入る、コミュニケーションも携帯ひとつで簡単にできる時代です。情報も多く、モノも多く、習い事も多く、やらなければならないことも多い子どもたち。子どもたちも、その多くの物事に対する管理能力を超えるほどになってしまっているのが現状です。今では分からないことがあれば、ネットなどですぐ調べることはできるけれど、『今、自分にとって何が本当に必要なのか』。これが分からない子どもたち。
そして、「決断力」のない大人が多いと、全ての決定も遅くなり、多くのビジネスチャンスを逃している可能性があります。決定が遅い為に、更には目の前の救うべき命も救えないという現実も起こってしまうのではないでしょうか。
整理とは、『必要か不必要かを区別し、不必要なものを取り除くこと』。アドバイザーになってから、このキーワードは沢山出てきます。親や周囲が子供にとって必要か不要かを全てにわたって区別していないだろうか。立ち止まって考えてみる。たしかに部屋の中の整理は子どもたちに一任するようになったが、何かサインを発していないだろうか。よくよく考えてみると、サインを発しているときほど、子どもたちの予定を詰め込みすぎていた母としての自分を反省します。自分自身、ついつい忙しく予定を詰め込んでしまう癖を、こどもにもしていたかもしれない。
庭でこどもたちとゆっくり過ごす時間が何よりも幸せだなと感じるようになりました。先日、庭での出来事。『あ!キアゲハの幼虫がさなぎになった!』幼虫がさなぎになるのは本当に一瞬です。そして、さなぎから蝶になる瞬間も本当に一瞬です。忙しすぎると、このほんの一瞬の大切な時を見逃してしまうかもしれない。その大切な一瞬を見逃すことなく、感動と発見に満ちていく日々を子どもと過ごしていきたい。そう思うようになりました。
もし、世の中のこどもたちが、「今の何が必要で何が必要ないのか」という区別する力が養われるようになると、自分が「何をすべきか」がはっきりとわかり、大切な人と大切なモノへの「思い」を大切にするようになるのではないでしょうか。世の中のこどもたちが、多くのモノや情報に惑わされることなく、『何が今大切なことなのか』を見失わない子が増えていくといいなと願っています。