100年後に繋げたい整理収納の形はなんですか? 桑原 美栄子
2015年10月21日あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の30年後がやってきました。1985年の30年後。色々なテクノロジーが実現化していると、話題になりましたね。そして、30年後の未来のマーティ一家のリビングはほとんどが電化され、きれいに収納されていました。30年後は近い未来ですが、1985年で想像した世界観は微妙にそれ以上に変化していたり、まだまだ追いついていなかったりでした。
この30年というとらえ方がまた、面白い。人生というか世代を考えた時、30年をひと世代と考えます。1985年は私達夫婦が結婚した頃。するとその前の30年前は両親が結婚した頃の日本。戦後10年位経った頃、1956年、『もはや戦後ではない』と言われ恐ろしいほどの経済成長期に入ってきます。映画の『ALWEYS3丁目の夕日』ですね。さらに、その前の30~40年前は、同じように考えていくと、祖父母の結婚した頃。残念ながらもう話を聞くことは出来ませんが、100年前、1915年日本は大正4年、大正天皇の即位礼が行われ、世界的には第1次世界大戦(1914年~1918年)の真っ只中でした。
と、少し前置きが長くなりましたが、今後100年後を考える時、100年前、過去を考えてみました。この100年間に2度の世界大戦を経験し、モノを失い、モノを所有することへの欲求がこの物質社会へとつながります。100年前とは、身の回りのものはだいぶ変化しています。各人が所有している量も変化していることは明らかです。もちろん今の私達がMAXと推測されます。そして、今後100年、世界は平和なのでしょうか?災害は少なくなるのでしょうか?急に、私達の生活が激変するような状態はなくなるのでしょうか?
さて、前に戻って、100年後の世代は私の孫の子供の時代になりますね。大正時代の人が現在を想像できなかっただろうと考えると、私も、100年後のモノの種類、量は想像も出来ません。もしかすると、テクノロジーがさらに発達し、多機能のシステムになっている。家自体がすべての機能が備えていて(家電という考え方がない)、音声認識でモノが出し入れされたり、なんかのび太君の孫・ドラえもんの時代になっているかもしれませんね。
すると、100年後に繋げる整理収納の形とは、モノへの整理の仕方、収納の技術などではなく、整理収納の基本『モノに対する考え方』だと思います。つまりは『区別すること』『区別する力』に尽きると考えます。
それは、モノを所有するときから、必要なものか、否か区別すること、今持っている物が、この先も必要なものなのか、否か区別することです。そうです。区別すること。簡単なことです。されど、・・・です。
現在のお困りの方々はこの区別する作業に多大なエネルギーを使っているのです。区別する力がつくと、先月のテーマにあるように、整理収納が得意な子どもが増えて、この整理収納の理論が当たり前のことの様になり、100年後はモノの整理収納に対するエネルギーがもっと多方面に向けられることになるかもしれませんね。
すると、100年後、私たち整理収納アドバイザーの仕事は、なくなるかも・・・。
今回の写真は、昭和19年の鉄道交通案内図です。本州、四国、九州、北海道、台湾、朝鮮、満州、中華民国の路線が書いてあるものです。ほぼ80年前位のものです。