100年後に繋げたい整理収納のかたちはなんですか? 中島 理沙
こんにちは。整理収納アドバイザー 中島理沙です。
今月は旧暦では霜月。寒い早朝は土も白く霜が降り、ザクザクと音を鳴らして歩くのが楽しいです。11月になった途端に、我が家の子ども達はクリスマスが待ち切れず、先月のハロウィンの道具をしまうと同時にクリスマスツリーを出して飾りつけをしました。家族も、行事や年末に向けて楽しいことにソワソワしている月です。
さて、今回のテーマは、「100年後に繋げたい整理収納の形は何ですか?」
100年後は世の中がどのようになっているのか、ゆっくりと考えた事はなかったのですが、たったこの数十年の間でも、劇的に変化しています。
1985年に全米で大ヒットとなった映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の続編、1989年に発表された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー part2」では先月の2015年10月21日の未来にタイムスリップするという設定で多くのメディアでも話題になっておりました。その頃にはなかったタブレット型のコンピュータは今でも主流になっており、大画面の薄型液晶テレビ、空中に浮かぶジョーズの3D映像も印象的でしたが、その頃不思議だと思っていたことも、今では日常的なものになっています。
また、映画とは別に、一般家庭や公共の施設などでも動きを簡略化した便利なものが沢山出てきています。手をかざせば水が流れる水道、自動で流れるトイレ、太陽光発電システム、全自動ロボット掃除機など、数年前では考えられなかったものも今では日常です。最近では、自動で洗濯物を畳むシステムや、人間の運転なしで自動走行するロボットカーなども発表されました。
人が動かなくてもよいので便利であるのと同時に、100年後は、『「モノ」に支配されない世の中』であって欲しいと考えます。『モノと人とが、快適でベストな関係』であって欲しいと思います。100年後、家中ではあちらこちらで「モノ」が自動で動きまわり、人は自分で動くことはなく「ロボット」が全てを賄ってくれるようになると、「人」の存在価値について考えてしまいます。「人」には「心」がありますが、「心」を持つ「ロボット」が出てきたときに、「人」と「モノ」との間で争いが起こらないかなどまで考えてしまいます。
整理収納の分野においても、「モノ」と「人」との関係が良好であると、時間、お金、心、環境、教育など、様々な面でプラスが生じるという理論がありますが、今では「モノ」が多すぎて悩んでいるという人々が大半です。「便利グッズ」という言葉でついつい買ってしまい、モノが増えすぎてかえって生活が「不便」になっている矛盾が起こっています。
整理収納によって、自分にとって本当に大切な「モノ」に気がつき、今の「自分」を見失わない、「自分」を見つめる。「人」は、大事な「モノ」との付き合いを大切にしながら、10年後も100年後も1000年後も「モノ」に支配されることなく、「人」と「モノ」との良好な関係を築くことの大切さを繋げていくことが出来たらと願っています。