整理収納アドバイザーになっても捨てられなかった思い出のbest3中島 理沙

この度の平成28年4月14日以降、熊本県を中心に発生している地震の被害地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。くれぐれもご自愛いただき、一日も早く復旧されますことを心からお祈り申し上げます。

4月に入り、新生活がスタートしました。新しい生活がはじまり、子供たちは不安と期待でいっぱいですね。実はこの時期、少し注意しなければならないのは、モノが増えやすい時期でもある事です。「準備しておかなくては」というモノから、「コレもあった方がいいかな」「こんな服や靴も新品に揃えよう」「文房具やノートも…」など次々と購入し、気が付くとモノが増え、管理できる量を超えている・・という事に陥りやすいのです。また、幼稚園、保育園、学校、職場と、新しいご案内資料も配布され、放っておくとダイニングテーブルの上や冷蔵庫の側面などが「紙」に埋もれやすい時期でもあります。こんな時こそ、モノが増える際に「コレは今本当に必要なモノか」を立ち止まって考える機会を意識的に作ってみる事をオススメします。特に「紙類」は、その場で「提出」なのか「廃棄」なのか「保管」なのか「保存」なのかと即座に決めずに全て「保留」にしてしまうと、瞬く間に膨大な量に膨れ上がってしまいますので気をつけてみてください。

さて、今月は『整理収納アドバイザーになっても捨てられなかった思い出のbest3』です。よく講座などでも「絶対に捨てたくはない思い出のモノ」についてお話ししていますが、ここでの「捨てられなかった思い出のモノ」は「捨てたくないモノ」ではなく、「捨てたいモノ」「捨てようと思ってもなかなか手がつかなかったモノ」ベスト3をあげてみたいと思います。

1つ目は、『莫大な子供の写真データ』です。

一番いい瞬間を撮ろうとするあまり、沢山シャッターを押すのですが、同じようなショットを沢山とってしまい、データが大量に残っておりました。子どもの写真はその時の一瞬しかないと思うとなかなか手が進まず、大量のデータなので削除する時間も暇もなくなってしまった。

「いつか」やろうと思うその「いつか」は一体いつ来るのか…。その「いつか」は永遠に来ないのだという事を知り、その「いつか」を「いつ」にするか決めました。これは個人によって違うと思いますが、私の場合は『「年賀状」を作成する時期』という期限を決め、年度ごとに整理すると決めました。また、撮った瞬間に写真を厳選しておくなど、手間をかけないようにしました。

2つ目は、『いつか読もうと思って読んでいない本や雑誌』

アドバイザーになる前は、読みたいと思った雑誌や本を購入しては、購入して満足していました。本のタイトルを並べてみると、全て自分の心とリンクしていました。「片付け」「整理」「育児」「英会話」の本や雑誌がずらり。心の中でちゃんとやりたいと思っているけれど、なかなか出来ない・・というもどかしさから本・雑誌を購入していたのです。今ではそのような事はなくなりましたが、折角購入した本を読まずにリサイクル・処分するのは勿体ないといってなかなか手がつきませんでした。

しかし、その本を置くスペースが「勿体ない」。読もうかどうか悩む時間が「勿体ない」。もう読まない本なのに買ってしまった事が「勿体ない」。すでに時間のロス、空間のロス、お金のロス、心のロス…とLOSSだらけです。今では本を購入するよりも図書館などの利用が一気に増えました。昔よりも本を読む時間の確保は厳しいはずですが、返却期限が決まっているので現在の方が本を読む冊数が増えています。LOSSになる購入はしなくなり、現在は、お気に入りで手元に置いておきたい本を厳選して購入しています。

3つ目は、『高かった教材関係』

以前、アドバイザーの資格を取得する前に、育児中の不安を拭い去ろうと、全く違う資格の通信教材を購入した事があります。いつまでもその資格教材が棚の場所をとっていました。「いつかやろう。いつか」結局その「いつか」はやって来なかったのですが、お金も払ってしまっていたし「勿体ない」と思っていました。これも、まさに勉強するかしないか悩む心、時間、お金、スペースのロス・・・まさにLOSSだらけです。アドバイザーになってからは、もっと違うことに取り組もうと考えるようになり、その教材は全て処分しました。

この「私が捨てようと思って捨てられなかったこと」の共通点は、3つありました。

1つ目は、全て自分が「いつか」やろうと考えていたモノ

2つ目は、処分するのが「勿体ない」と勘違いしているモノ

3つ目は、全てが「LOSS」であった事。

本当にその「いつか」は「いつ」来るのか。そして本当に「勿体ない」事は何なのか。そして、何を「LOSS」していたのか。そこがなかなか見えてこなかったのかもしれません。全て自分の心とリンクしています。これらが見えてくるようになると、これまでなかなか決別できなかったモノとも素敵にお別れできるのではないかと思います。

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